東京都で『職場で始める!感染症対応力向上プロジェクト』(東京都福祉保健局)という企業の感染症対策を支援する取り組みがスタートします。

3つのコースが設定されており、その中に「風しん予防対策の推進」があります。少し前に東京都の風疹抗体検査で「免疫が十分でない」と判定された人が3割に達したという情報が公開されたのですが(『26年度風しん抗体検査事業実績』東京都)、この結果を受けたものと思われます。

コースに参加すると予防接種等協力医療機関の紹介などの支援を受けることができます。達成目標は「風しん抗体保有者が従業者の9割以上」で、コース実施を申し込んだ場合は「協力企業」として、目標を達成すれば「達成企業」として東京都のウェブサイトに企業名等が掲載されるとのことです(※協力企業は3ヶ月間)。

2013年の風疹大流行の感染経路で多かったのが職場です。職場は同じ場所で長時間過ごすため濃厚接触になりやすいからです。濃厚接触となった場合は妊婦さんが風疹の抗体を持っていたとしても赤ちゃんを守り切れないことがあります。濃厚接触しやすい場所は職場に限りません。職場から家庭にウイルスが持ち込まれた場合にも濃厚接触がおきます。社外での打ち合わせなどで顧客に移してしまうこともあるでしょう。通勤電車など人が多い場所もリスクが高いです。職場は風疹ウイルスの「中継基地」になりうる場所なのです。

「中継基地」にならないためには、職場に風疹ウイルスを持ち込ませないことや職場の外に持ち出さないことが重要です。社員を風疹から守ることで、社員の家族や顧客を守り、そして赤ちゃんの命を守ることにつながります。そのためには、社員への抗体検査や予防接種の勧奨や可能であれば予防接種費用の補助を行うなどの対策を進めていく必要があります。職場での風疹対策が進めば再流行を阻止できる可能性が高まるので多くの企業がこのプロジェクトに協力してくださることを願っています。

参考ページ:『職場における風しん対策』(国立感染症研究所)