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年別アーカイブ: 2013年

墨田区の母子保健研修に参加しました

先日、墨田区の母子保健研修に参加させていただき、最後のほうで3分ほど少しお時間をいただいて、風疹のことで悩んでいる人が一人ぼっちにならないようにしてあげてください、と簡単にお話させていただきました。墨田区は、私の出生地であり(育ったのは別の区ですが…)、貴重な機会をいただけたことをありがたく思います。
内容は、人工内耳や聾学校の乳幼児教育相談についてのお話などで、特に新生児聴覚スクリーニングについては最近の動向を聞けて参考になりました。大学病院や大きな総合病院でも、スクリーニングを実施していない病院があるという話があり、衝撃を受けました。また、スクリーニングを実施したあとのケアも十分とはいえないと感じました。
人工内耳についてはさまざまな意見があるのですが、難聴の発見自体は、一日でも早いほうがいいです。人生の中で親子で一緒にいられる時間は限られているので、親子が一日でも長く笑顔で過ごせる時間を持てるようにしてあげてほしいと思います。親子間のコミュニケーション手段を確保し、子供が安心して過ごせるような環境を整えてほしいです。大人になったあとも、健聴者と等しく情報にアクセスできるように、いつでもどこでも手話通訳や要約筆記による情報保障を受けられるようにしてほしいです。
行政のみなさん、CRSの子をもつお母さんやCRSで生まれた子たちが路頭に迷うことがないよう、ご支援をお願いいたします。私も、今年生まれてきたCRSの赤ちゃんが大きくなるまで、微力ながら支えていきたいと思っています。
そもそもの原因である風疹については、今下火になりつつありますが、大流行の芽はまだ残っています。下火になっている今のうちに、しっかりと芽を摘み取ってほしいです。2020年の東京オリンピックで、わが国が大恥を掻くようなことがあってはなりません。
神奈川県では、黒岩知事が『神奈川県風疹撲滅作戦』と称して『(1)神奈川で風しんの流行を発生させない (2)今後、妊娠する人から先天性風しん症候群(CRS)を出さない』ための取り組みを行っていくと宣言しました(定例記者会見(2013年12月26日)結果概要)。風疹の根絶に向けた取り組みが行われるということで、神奈川県民として嬉しく思います。他の都道府県の良いモデルとなってほしいです。

医療ルネサンス風疹編最終回─CRSの赤ちゃんに手厚い支援を。

医療ルネサンス風疹連載の最終回は「先天感染児 早期発見へ」というタイトルです。この記事の後半に私がでてきています。私の部分だけ引用しておきます。
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 CRSの当事者も支援を始めた。神奈川県の大学院生(24)は今年9月、ホームページ「先天性風疹症候群(CRS)とともに」を開設した。難聴と白内障、心臓の病気を持って誕生してからの記録を公開した。
 「CRSの赤ちゃんの親が、先の見通しをたてたり、希望を持ったりできるのではないか」と考えた。
 幼少期の記録を書くため、両親が保管していた育児日記を初めて読んだ。
 今月上旬、日記を持って、診察の責任者だった耳鼻咽喉科医の田中美郷さんを訪ねた。当時の様子を知りたいと思ったからだ。
 田中さんが初めてCRSの赤ちゃんを診察したのは1962年。その後、ワクチンが開発されたのに、半世紀たった今も、日本では風疹を根絶できずにいる。
 「風疹は、命を落とさないことから、軽い病気と扱われてきたけれど、障害を持って生まれた子どもや親の苦労を考えれば、決して軽くはありません」
 田中さんの言葉に大学院生は大きくうなずいた。
 「家族や友人に恵まれて幸せでも、人間関係で悩んだことは数えきれず、おなかの中で風疹にかからなかったら、目や耳の障害がなかったら、と思わない日はない」
 風疹の根絶と、生まれてきたCRSの赤ちゃんの支援をどう進めるか。今まさに社会が問われている。
<< 田中先生とお会いしたきっかけは、ホームページ(を作るための資料を集めていたときに偶然見つけたもの)を、取材のときに持参したところ、記者の方がちょうど『ノーサイドクリニック』への取材を行っているということで、つないでいただくことができました。私の母が昔ホームトレーニングプログラムに参加した縁で、お会いさせていただく機会を持つことができたのです。
記事には書かれておりませんが、田中先生は子供を家に閉じ込めるのではなく、外に出ていろいろな体験をさせてあげて、子供の能力を限りなく引き出してあげることが大事だとおっしゃっていました。
当時の記録にも『目と耳に障害をもつ娘のことで心安まる日はなく、日々の成長の過程が楽しみでもあり、また苦しみでもあり、希望と絶望の繰り返しです。これからも同じ思いがずっと続くと思いますが、娘の能力を限りなく引き出せるよう親子で頑張っていく覚悟です』(要約)と書いてあって、何度読んでも涙が止まりません。
今回の流行で生まれたCRSの赤ちゃんとその周囲の方々が、手厚く支援を受けられ、また大きくなったあとも、手話通訳などによる情報へのアクセスを保障されることを願っています。
なお記事中で紹介されているホームページ『先天性風疹症候群(CRS)とともに』にて、今までの記録を公開しておりますので、お時間のある方はぜひご覧ください。あまりパッとしない人生なので、お役に立てるかどうか分かりませんが、少しでも誰かの希望につながればと思っております。

医療ルネサンス風疹編第3回─抗体検査&ワクチン接種機会の拡大を。

医療ルネサンス風疹編第3回は『企業と連携し集団接種』というタイトルで、接種機会の向上を訴えかけるものでした。
妊娠17週で感染した会社員(30)は夫や同僚に感染者がおらず、いつ誰から感染したのか分からない、通勤の満員電車で見知らぬ誰かから感染したのかもしれないと考えているそうです。企業との連携に取り組んでいる久住英二先生(ナビタスクリニック立川院長、病院ホームページ→『NAVITAS CLINIC | ナビタスクリニック 駅徒歩0分のお医者さん』)は、「感染源は家族だけではないし、ワクチンを打っても、十分免疫がつかない人がいる。CRSをなくすには、免疫のない人に広く接種を呼びかけ、流行を止めるしかない」とコメント。アイ・ブロードキャストでは、近隣企業の社員を含めた30人に、集団接種を実施。会議室でワクチン接種を受けた男性は「わざわざ仕事を休み、自費で、という条件ならば、接種しなかったかもしれない」とインタビューに答えています。
記事中で紹介されている久住先生は『風疹の流行を止めよう緊急会議』の共同代表で、風疹やCRSについての情報発信を行うだけでなく、今年11月にはフローレンスの利用会員のパパ100人にワクチンを無料接種する取り組み(『風疹予防に医師が立ち上がった!パパ向けにワクチン無料提供!! | 駒崎弘樹』ハフィントンポスト)など、本気で今回の流行をどうにかしようとなさっておられます。
風疹・麻疹混合ワクチンを接種するには、一万円近くかかります。現在流行の中心となっているのは20~40代の働き盛りの男性ですが、仕事が終わる時間には病院が閉まっていることが多く、そもそも病気になっても仕事を休めるような職場環境ではない人もいます。また、学生の場合は、インフルエンザワクチンの三千円でも、抵抗感があります。自由に使えるお金が1万前後、その中から出すのは痛いです。
私は麻疹の大流行のために、学校負担による検査が特別にあったので、それで、罹患済みである、風疹や麻疹、おたふくの免疫がまだ残っているのを確認でき、また、水痘については陰性だったので、予防接種を受けました。検査を受ける機会がなかったら、接種しなかったであろうと思います。
職場や学校で、昼休みなどの空き時間に、自己負担なく、抗体検査やワクチン接種ができるよう、国や地方自治体の助成が拡大されることを願っています。

医療ルネサンス風疹編第2回─二次相談窓口の活用を!

医療ルネサンス風疹編第2回は『妊婦への対応に不備』というタイトルで、不顕性感染でCRSの赤ちゃんを産んだ方が出てこられました。
この方は、夫が風疹に罹患したものの、妊婦である本人には症状が出ず、医師に相談しても特に反応なく「大丈夫ですよ」と言われ続けました。ところが赤ちゃんは2ヶ月半早く生まれ、生後6日で動脈管開存症の手術を受けました。この方のように、妊娠中に相談窓口に辿り着けないまま、出産に至った方がいます。
医師に基準値がこうで、あなたの場合はこう、と言われただけでは、よく分からないまま帰宅して、ネットで「風疹 抗体価」で検索する、余計分からずパニックになってしまう。大丈夫ですよとだけ言われて帰されても、不安はつきないものです。
結果だけを伝えるのではなくて、ケアもしっかりしてほしいです。不安なときはここに相談してくださいね、とか、CRSに関する資料がありますからを読んでくださいね、というふうに言っていただければ、それだけでも少しは安心できると思います。
なお、さきほど出てきた相談窓口は「二次相談窓口」として以下の医療機関におかれています(『二次相談窓口』国立感染症研究所・感染症情報センター)。風疹に罹った、または、その疑いがある場合、主治医を通して各地域の二次相談窓口に相談することができます。二次相談窓口から受けた予測されるリスク等の情報について主治医から説明を受けた上で、二次施設でのカウンセリングや胎児診断を希望することができます。相談を受けたい方は、まず主治医の先生にご相談ください。
-北海道:北海道大学附属病院産科
-東北:東北公済病院産婦人科、東北大学病院産科
-関東:三井記念病院産婦人科、帝京平成短期大学、横浜市立大学附属病院産婦人科、国立成育医療センター周産期診療部
-東海:名古屋市立大学附属病院産婦人科
-北陸:石川県立中央病院産婦人科
-近畿:国立循環器センター周産期科、大阪府立母子保健総合医療センター産科
-中国:川崎医科大学附属病院産婦人科
-四国:国立香川小児病院産婦人科
-九州:宮崎大学附属病院産婦人科、九州大学附属病院産婦人科

週間モーニング連載「コウノトリ」風疹編、完結しました!

先週発売されたコウノトリ三話目。最終回でした。

妊娠7週で風疹に罹ると、赤ちゃんが先天性風疹症候群になる可能性が80パーセント。いきなりすごい数字が出てきましたね。
しかしそれはあくまでも統計上の数字であって、100パーセント、重度の障害を持った赤ちゃんが生まれるとは限りません。かりに全て揃ったとしても、軽い難聴だけですむ場合があるし、私も心臓病は何もしなくてすみました。実際に障害があるかどうかは産んでみないと分からないのです。

赤ちゃんが100パーセント大丈夫ということは、残念ながら、私の口からも言えないのですが、一つ確実にいえることがあります。我が子が障害を持っているからといって、イコール不幸で惨めな人生になるというわけではないということです。ハルカちゃんのように、ピアノが大好きで、あこがれのベイビーと『A列車で行こう』を弾ける幸せに巡りあえる子もいるのです。ハルカちゃんのように、自分がやりたいことに夢中になって、自分の行きたいと思う道に進んでいれば、どこかで思わぬチャンスに巡りあえるものなのです。

ハルカちゃんは、漫画の中の女の子だけれど、実際に全盲で世界的なピアニストとして活躍している方がいます。辻井伸行さんという方です(公式サイト『辻井 伸行 Official Web Site ++ Nobu Piano. ++』)。この方の趣味は、ピアノだけでなく、水泳やスキー、スケートなど、全盲の人には無理なんじゃないかと思われるようなものが連なってて、無理だと思われることでも、自分がやってみたいと思ったことには挑戦するという姿勢が素晴らしいと感じます。

伸行さんのお母さんである、辻井いつ子さんは、このようにおっしゃています(『「今日の風、なに色?」~息子・辻井伸行と歩んだ道のり~』ひろげよう、人権)。全盲の福澤美和さんが書かれた『フロックスはわたしの目』(文春文庫)という本を読んでこのように感じたのだそうです。

 それまで私は、「見えない」ということにとらわれるあまり、その人がその人らしく生きていくということに気が回りませんでした。障害に関する本は少なく、当時は、障害というマイナスをいかに克服して社会に適応するか、といった本ばかり。生まれてきた子どもの才能を伸ばすよりも、いかに社会という枠にはめ込むか、そういったことを書いた本が多かったように思います。

障害は、社会という枠から考えればマイナスかもしれないけど、本人には、マイナスやプラスという概念そのものがありません。辻井さんにとっては見えない世界があたりまえのように存在しているのです。私も、聞こえる世界に行ったことはなく、比較対象がないので、どちらがマイナスで、どちらがプラスなのかは分からない。それを他人がマイナスであるとか不幸であるとか決めつけて、この子は将来ダメになるんだと考えるのではなく、その子自身にとってプラスとなる方向に向けてあげように、と考えてほしいと思います。

風疹関連では「遙かなる甲子園」という本があります。風疹障害児のために6年間の期間限定で設立された北城聾学校の人たちが、聞こえない子供に野球なんて無理だ、危険だという声を乗り越えて、甲子園での大会に出場しています。自分たちの身で、聞こえなくても野球はできるのだということを証明したのです。

このように、障害を持っていることが、不幸で惨めなことであるか、ということについては、そうとは限らないということは、既に多くの先人の方々が証明してくださっていると思います。

厳しい現実はあるにはあるのですが、障害児であっても、健常の子供と同じように、無限の可能性を秘めていて、親が驚くほどの成長を見せてくれるのだということも、「コウノトリ」で感じていただけるとうれしいです。


読売新聞「医療ルネサンス」にて風疹特集記事掲載(12/20まで4日間)

今日から読売新聞の「医療ルネサンス」で風疹についての連載が4日間続きます。4日目に私が出てきます。第1回目である今日は、患者会『hand in hand』の共同代表である、保育士の西村さん&葉七ちゃん親子が出ました。
記事によると、西村さんは、妊娠2ヶ月で全身に発疹が生じ、風疹と診断されました。医師に「あなたの夫なら産ませません」と人工妊娠中絶を医師から勧められましたが、赤ちゃんを堕ろすことは考えられない、と出産に至りました。幸いなことに赤ちゃんの症状は軽く、軽度の難聴のみで済みましたが、今後さらなる症状が出てくるのではないかと心配がつきず、また、「ワクチンを打っていたら風疹にかからなかったかも」という悔やんでも悔やみきれないという想いを抱えているとのことです。その悔しい想いから、今年8月に患者会を設立し、ワクチン接種などの対策を国へ要望したり、風疹の怖さを社会に広く伝える活動を続けている、という内容の記事です。
有料記事なので具体的な内容を読めない方がたくさんいらっしゃると思いますが、ご本人のブログ『COTO*HANAぶろぐ』や『保育士の予防接種歴及び抗体価確認を行うことの重要性』(医療ガバナンス学会)という記事で、今までの経過や想いを読むことができます。
また、フォアミセス12月号でくりた陸先生の「生まれてくれて、ありがとう」という漫画の中でhand in handが結成されるまでの道のりが紹介されており、その中にも西村さんご一家が出てきます。11月初旬発売で書店での入手は難しいと思いますが、こちらも是非。


当事者のみなさん、「風疹のバカヤロー!」と叫びましょう。

先週、三重県と和歌山県でCRSの報告があり、今年28人、昨年10月1日から32人となりました(『風疹で障害が出た赤ちゃん 32人に』NHK)。今年はたったの28人、たったの数十人しかいない──だからなんなんだ?と思われる方もいるかもしれませんが、風疹は過去に大流行を繰り返しており、すでに成人している方が全国各地にいます。

1965年の沖縄で罹患された408名の方々。それから1993年に聾学校を対象の調査で判明した1981~89年に出生した272人の方々。さらに、感染症法による届け出が義務となった1994年4月から2013年11月まで49人。合計すると729人です『風疹流行および先天性風疹症候群の発生に関するリスクアセスメント第二版』感染研)。

調査から漏れている人の存在を考慮すると、既に成人しているCRS当事者は、1,000人近いのではないかと私は思います。1993年の調査は、聾学校に行っていないケース(盲・養護学校など)は含まれていません。また、小学校入学以降に難聴だと気づくケースや、不顕性感染で罹患に気づかなかったケースも考えらるからです。

そして、一人のCRSの背景には、約60倍の自然流産や人工妊娠中絶があるという報告があります(『感染源にならないために風疹ワクチン接種を』日経ウーマンオンライン)。単純に60倍すれば、今年だけでも1,800人の命が犠牲になっているかもしれないのです。

本当は全国にたくさんの仲間がいますが、風疹に母子感染したことを、いや、そもそも自分が障害を持っているということを社会に向けてカミングアウトすること自体勇気の要る行為なので、表に出ている人はほとんどいません。しかし、いまこのタイミングで、当事者自身が「風疹のバカヤロー!」と叫ばないと、また同じ事が繰り返されてしまいます。私のような人生経験が浅い人間ではまだまだ説得力が足りないと思うので、もっといろんな立場の当事者が出てきて、発言してくれると嬉しいなあ。

2014/7/7追記:
当事者同士の情報交換ができる非公開facebookグループがあります。英語ですが各国のCRS当事者や家族、専門家が集まるグループもあります。興味のある方は自己紹介のページ下部にあるお問い合わせフォームよりご連絡ください。

週間モーニング連載「コウノトリ」風疹編第二回(←先週号)について

やばい!今日3週目の発売日ではありませんか。12月に入り、難聴のことで一番最初に診ていただいた先生とお会いする機会があり、また障害学生関係のシンポジウムにも参加する機会がありましたので、そのことを書こうと思っていたら、コウノトリの風疹最終回がきてしまったので、いそいで2話目の感想らしきものを書こうとおもいます(まだ買っていません!笑)。

第二話は、前回に引き続き、先天性風疹症候群で白内障と心室中隔欠損症を持って生まれたハルカちゃんが登場。そして、伊達さんという、妊娠している女性とパートナーの方が登場してきました。夫が職場から風疹をもってきて妊娠中に風疹感染っていう流れを想像してたんですが、そうではなくて正直ホッとしました。

ハルカちゃんは、すごくしっかりした女の子です。あの歳で自分の病気のことをしっかりと周りの人に伝えられる子って、なかなかいないですよね。障害のあるなし関係なく。ああやって、笑顔で元気にしていられるのは、ご両親が障害についていろいろ勉強をして、なんとか受け止めていこうという、苦しい道のりが過去にあったのだろうなと思います。

そしてその道のりはまだまだ続きます。風疹は「三日ばしか」といわれるように、ほとんどの健康の大人は一週間程度ですみますが、先天性風疹症候群にかかった赤ちゃんやその家族は、一生病気との闘いです。

ハルカちゃんのような「いい子」は、思春期に突入したら荒れまくる可能性高いです。人前では明るく振る舞っていても内面ではすごく悩んでいるだろうし、もう少し大きくなると、自分が障害を持って生まれてきた、しかも防げるはずの病気で、という現実がのしかかってきて、やり場のない気持ちをどこにぶつければいいか分からなくなるだろうなーって、先のことがリアルに想像できました。

正直、読んでいて辛かったですね。同じ思いをする人が一人でも減ってほしいです。でも現実には、1週間あたり800人を超える報告のあった時期(5月6日~6月2日)に罹患し、CRSであると確認された赤ちゃんの報告が今後相次ぐ恐れがあるとの懸念も出ており(風疹4週連続減、流行は終息?- 先天性風疹症候群は増加傾向 | 医療介護CBニュース)、まだしばらくは辛いニュースを何度も聞くことになりそうです。いつまで続くんでしょうかね、コレ。

阻止できたはずの障害─今年はすでに26人の先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれました。2004年流行したときは、10人も生まれていることを知りませんでした。あのとき声をあげていれば、もしかしたら今回減らせたかもしれないと思うと、悔しいです。

さあ、第三話、買ってくるぞーっと!(笑)


週刊モーニング連載「コウノトリ」で風疹&CRSが取り上げられました

週刊モーニング 2013年12/12号(52号)に連載されている「コウノトリ」で、先天性風疹症候群の話が出ていると伝え聞いたので、早速読みました。

CRSのことが漫画になってるのを読むとリアルに想像してしまいますね。心室中隔欠損症ということは生まれた日にすぐ分かったんだろうなあ…白内障も白杖が必要なほど視力が出なかったということは重症だったんだろうなあ…難聴は?ピアノが好きみたいだけど、本当に大丈夫なのかしら?などなど、と。

漫画の冒頭で、今年のCRS報告数、20人と出てますが、漫画を読んでいる最中に、今年25人目のCRS報告があがったというニュースがあり、げんなり。『先天性風疹症候群が報告されました』『去年から続く流行で「先天性風疹症候群」と診断された赤ちゃんは全国で○○人に上り…』という文言を見るたびに、またかよ!と思います。いつまでこんなニュースが続くのでしょうか?

また、漫画の最後に「風疹は注射一本で防げる障害」とあり、この言葉には『風疹に罹る前にワクチンを一本打っておきさえすれば子供を健康に産めたのに…』という親御さんたちの想いが込められているのですが、95~99%の人に免疫がつくとはいっても、一回の接種だけで免疫を十分に獲得できない人がいますし、定期接種対象の子供は二回接種で二本打つことになっているので「一本で防げる」というような言い方は、個人的には、あまり好きではありません。

風疹は注射一本では防げる病気ではないのです。今後再び大流行させないためには、数十本、数百本のワクチンで壁を作って、職場や学校で風疹が流行り、家庭へ持ち込まれ、そして妊婦、赤ちゃんへと、感染の連鎖が起こらないようにする必要があります。

私が風疹に感染したのは1988年で、今年のように風疹が大流行していました。お母さんの周りの人が、ワクチンを打ってくれていれば、お母さんが風疹に罹患することはなかったかもしれない。私が障害を持って生まれてくることもなかったかもしれない。そして今頃失明の恐怖を味わうこともなかったかもしれない。今年、先天性風疹症候群と診断された25人の赤ちゃんが、10年後、20年後に、私と同じように、このような思いを抱くのではないかと思うと、胸が痛みます。

今後また大流行などせぬよう、特に、男性のみなさん、風疹ワクチン接種をお願いします。感染の連鎖を防ぐために、ご家族やご友人と一緒に接種を受けてください。


風疹の子を持つ親御さんや風疹で生まれた子供たちに伝えたいこと。

「悩んでいるのはあなた一人だけではないよ、あなたは一人ぼっちじゃないんだよ」ということを、風疹の子を持つ親御さんや、風疹で生まれた子供たちに、知ってもらいたいです。私が風疹のことを書き始めたのは、ワクチンを打ってもらいたいという気持ちもありますが、日本のどこかで風疹のことで悩んでいる誰かに気持ちを伝えたいという想いもあるからです。

私の気持ちなんかを知ったところでなにになるのよと思われるかもしれませんが、自分一人だけではなく、自分と同じように悩んでいる人が、日本のどこかにいて、なんとかこうして生きているんだということを知っていただくだけでも、意味のあることだと、私は信じています。

私は辛くてどうしようもなくなったとき『なぜ私だけが苦しむのか―現代のヨブ記』という本を読みます。この本は、風疹症候群で生まれ障害を持ったという過酷な現実と対峙する勇気を、いつも与えてくれます。

著者はユダヤ教のラビで、息子アーロンがプロジェリア(早老症─アシュリーが有名です、テレビで見たことがある人がいるかもしれません)にかかり、なぜ自分の息子が親より早く死ぬ運命に晒されなければならないのか、と悩み苦しみつつ、旧約聖書のヨブ記を読み進めていくという内容です。

題材となっているヨブ記は、善良なヨブという人物がある日突然不幸に見舞われて、私は神を信じ正しく生きているはずなのに、なぜ私がこんな目に遭わねばならないのか、悩み苦しんでいく物語で、これ自体、文学的にもすばらしい作品となっており、一読の価値があるものです。

キリスト教関連の本ではあるのですが、仏教や神道など他の宗派であっても、何かを信じるということ、祈ることに対して、自分なりの答えを見いだすことができると思います。

この本の207ページには、私がこのブログを通して皆さんに伝えたいことが書かれてあります。

苦しみに耐えるだけの十分な強さがその人に備わっているから、神はこのような重荷を与えるのだという常套的な説明は、まったくまちがっています。私たちに災いをもたらすのは神ではなく、巡りあわせです。

それに対処しようとする時、私たちは自分の弱さを知ります。私たちは弱いのです。すぐに疲れ、怒り、気持ちが萎えてしまいます。しかし、自分の力や勇気の限界に達した時、思いがけないことが私たちの上に起こるのです。

その時、外からの力によって強められる自分を見出します。そして自分は一人ぼっちではなく、神が共にいてくれるのだということを知ることによって、苦しみを生き抜いていくことができるのです。

私は「みんな違って、みんないい」という言葉が好きではありません。障害を持って生まれてこなければ、耳が聞こえてれば、人と違うことでこんなに悩まずにすんだのにと思います。もし、人生を選ぶことができたなら、目が見えて、耳が聞こえる人生を選びたかったと今でも思います。

しかし、この苦難だらけの人生から、逃げ出すことはできないのです。これが私に与えられた人生であり、巡りあった運命なのです。二十四年半、この過酷な運命に振り回され、いろいろなことがありました。あと数十年も続くのかと思うと正直げんなりします。

それでも、今日、私がこのようにして生きていられるのは、私に手を貸してくれる人たちがいるおかげです。風疹についても、当事者の皆さんとの出会いがなければ、自分一人だけで悩み苦しんでいて、今こうしてブログ記事を書く勇気を持つことすらできなかったと思います。

もし、まわりに風疹のことで悩んでいる人がいたら、悩んでいるのはあなた一人だけではないよ、あなたは一人ぼっちじゃないんだよ、ということを伝えてあげてください。よろしくお願いいたします。

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